公益財団法人 流通経済研究所(東京都千代田区、理事長 青山 繁弘、以下流通経済研究所)は、株式会社NeU(東京都千代田区、代表取締役CEO 長谷川 清、以下NeU)と共同でVR(virtual reality:仮想現実)空間内での商品棚評価の脳科学検証に取り組んでおります。
このたび、2月27日に行われました食品・日用品メーカー、卸売業、小売業で構成されるSMD共同研究機構(流通経済研究所主催)にて、その検証結果を「生理指標を活用した売場評価に関する研究-エンドにおけるショッパーの探索行動への影響-」として流通経済研究所 三坂昇司 主任研究員より発表しましたので、ここに報告いたします。
本実験は、株式会社FOVE(本社:東京都千代田区、代表取締役:小島由香、以下、FOVE)とNeUが共同開発したNIRSによる前頭前野脳活動計測とアイトラッキングの同時計測が可能なHMDデバイス「NeU-VR」を用いて実施しております。
今回の実験では、商品陳列を見始めてから、商品を1つ購入意思決定するまでのヒトの心理過程を解析するために、「NeU-VR」によるNIRS前頭前野脳活動計測およびアイトラッキングを行いました。実在する小売店(食品スーパー)実写の360°画像を撮影し、これをVR内で視聴することで、実験室にいながら食品スーパーの売場環境を再現することを可能としております。
食品スーパーの売場では、買物客に訴求するためにさまざまな施策が行われていますが、今回の実験では「POPによる商品訴求を行った売場づくり」、「関連商品陳列による売場づくり」、「陳列商品数を増やすことによる売場づくり」、「新商品を陳列することによる売場づくり」のいくつかの施策を考慮し、実験を実施いたしました。
その結果、今回の実験では「POPによる商品訴求を行った売場づくり」が買物客にとって、無意識下で最も買いやすい売場につながっていることがわかりました。
また、データ解析には株式会社ジオクリエイツ(東京都港区、代表取締役 本田 司、以下ジオクリエイツ)協力のもと、VR用SaaS「ToPolog」を採用しております。
今後は、ToPologのAI機能を活用し、脳活動×アイトラッキングによるヒトの感性の推定指標化についても、検討を進めていく予定です。
流通経済研究所とNeUは、今後も商品棚の評価をはじめとした流通・マーケティング領域において、脳科学の知見を盛り込んださまざまな研究調査活動を展開してまいります。
■公益財団法人 流通経済研究所
会社名 : 公益財団法人 流通経済研究所
設立 : 1966年10月
所在地 : 東京都千代田区九段南4-8-21 山脇ビル10F
代表者 : 理事長 青山 繁弘
事業内容: 流通・マーケティング分野専門の研究機関
URL : https://www.dei.or.jp/
■SMD共同研究機構
SMDとは、Shopper and Merchandising Development の略称です。
メーカー、卸売業、小売業に共通する関心事である、ショッパーの理解を目的とした、製配販による共同研究機構です。
公益財団法人 流通経済研究所では設立以来、店頭での調査や実験を通じてショッパーに関する研究を行ってきました。店頭での実証的な研究開発を通じて、マーチャンダイジングの実務で活用するための指標の開発や更新を行うことに加えて、新たなテクノロジーを活用した取り組みなど、社会の変化に対応した研究の革新に取り組んでいます。
https://www.dei.or.jp/project/smd/
■株式会社NeUについて
会社名 : 株式会社NeU(ニュー)
設立 : 東北大学の認知脳科学の知見と、日立ハイテクノロジーズの携帯型脳計測技術を軸に2017年8月に設立
所在地 : 東京都千代田区神田司町2-2 新倉ビル
代表者 : 代表取締役 長谷川 清
資本金 : 3億5,900万円(資本剰余金含む)
事業内容: 脳科学の産業応用事業
URL : https://neu-brains.co.jp/
■本件に関するお問い合わせ
公益財団法人流通経済研究所 担当:三坂
https://www.dei.or.jp/project/smd/contact.php