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機関誌「流通情報」バックナンバー

No.540 | Vol.51 No.3(2019年9月発行)

特集 食品輸出に向けた新しい取り組み

特集にあたって

折笠 俊輔
公益財団法人流通経済研究所 主任研究員

2019年農林水産物・食品の輸出目標達成に向けての取り組み

中 裕伸
独立行政法人日本貿易振興機構 農林水産・食品部長

 

 わが国では、農林水産物・食品の輸出額を2019年までに1兆円とする目標を掲げ、その達成に向け官民を挙げての取り組みが進められている。独立行政法人日本貿易振興機構(ジェトロ)では輸出事業者を支援するため、商談機会の提供、事業者の事情に応じた個別支援、先進的な取り組みに対する支援、海外ECサイトでの販売支援、そして日本食品海外プロモーションセンター(JFOODO)と連携した海外市場へのプロモーション活動支援等を行っている。いずれも2019年の1兆円目標達成を目指しその効果の最大化を図っているが、今後はその先の輸出拡大も視野に入れていくことが求められる。

キーワード: 農林水産物・食品輸出、日本貿易振興機構(ジェトロ)、輸出支援、ジャパンモール事業、日本食品海外プロモーションセンター(JFOODO)
わが国の農林水産物・食品輸出に求められるマーケティング戦略

加藤 弘之
公益財団法人流通経済研究所 主任研究員

 

 わが国では2010年代から農林水産物・食品の輸出拡大への取り組みが本格化し、政府等による支援策や海外における「和食」ブームの高まりにより、2018年には9,000億円超の輸出額となっている。結果的に多くの農林水産物・食品生産者が海外市場を目指すようになった反面、海外販路の獲得や継続的な販売に苦労している生産者も多い。本稿では、マーケティング理論をもとに、農林水産物・食品輸出に求められるポイントを説明する。

キーワード: 農林水産物、食品、海外輸出、マーケティング戦略、マーケティング理論
食品輸出に向けたブランディングのポイント

折笠 俊輔
公益財団法人流通経済研究所 主任研究員

 

 本稿では、食品輸出におけるブランディングの重要性について、差別化の視点などから整理したのち、ブランディングの基本的な考え方について、ブランドの基本機能とその目的から事例を踏まえて確認した。輸出におけるブランド・コミュニケーションについては良いイメージを強く印象づけること、そのために一貫したブランド接触がなされることが重要である。

キーワード: 食品輸出、ブランディング、地域ブランド、ブランド要素、ブランド・コミュニケーション
国産農産物輸出における実務的課題と今後の対策の方向性

流通経済研究所農産物流通イノベーション研究班

 

 本稿では、農産物輸出における実務的な課題を整理し、対策の方向性として、産地側の輸出への理解度を高め、戦略的に輸出を考えること、輸出に携わるステークホルダーにおける縦と横のデータ連携を推進すること、生産から輸送までの幅広い分野での技術革新が必要なことを提起した。

キーワード: 食品輸出、農産物流通、国内物流、鮮度維持、データ連携

特別企画

対談「ネットワーク経営と流通のこれから」

コスモス・ベリーズ株式会社 代表取締役会長 三浦一光氏
(公財)流通経済研究所 理事・名誉会長/株式会社コムテック22 代表取締役 上原征彦

 

 本号では特別企画として、コスモス・ベリーズ株式会社代表取締役会長の三浦一光氏と弊所理事の上原征彦名誉会長の対談を掲載いたします。上原が問題意識を提示し、三浦氏がコスモスベリーズでのビジネスシステムがどのようにつくられてきたのかを解説するかたちで、「ネットワーク経営と流通のこれから」のあり方について検討します。
(聞き手:流通経済研究所 理事・名誉会長/株式会社コムテック22 代表取締役 上原征彦)

視点

流通とのタッチポイントの変化

渡辺 達朗
公益財団法人流通経済研究所 理事/専修大学商学部長・教授

資料紹介

海外の流通&マーケティング

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