渡辺 達朗
公益財団法人流通経済研究所 理事/専修大学商学部長・教授
岸田 学
農林水産省食料産業局 バイオマス循環資源課 課長補佐
食品ロスの削減は、一人一人が我が事として取り組むものであり、「国民運動」として推進する必要がある。10月は食品ロス削減月間、本年10月30日は「全国一斉商慣習見直しの日」としており、この日に納品期限の緩和、賞味期限表示の大括り化に取り組む企業を公表予定であり、食品関連事業者の皆様には、これを機に商慣習の見直しを検討していただきたい。食品関連事業者の皆様におかれては、食品ロス削減推進法の基本方針で盛り込んだ「求められる役割と行動」を実行すると同時に、消費者に対して自らの取組を情報提供いただきたい。それにより、消費者が、食品ロス削減に取り組む事業者の商品等を積極的に利用する流れを作り出していきたい。
キーワード: 食品ロス、食品ロス削減推進法、納品期限の緩和、賞味期限表示の大括り化、全国一斉商慣習見直しの日荻原 素宏、 神原 稔、 石井 利幸
株式会社セブン&アイ・ホールディングス グループ商品戦略本部 調達戦略部
7&iグループは、環境問題やSDGs、持続可能性向上への貢献に向け、グループ商品戦略本部を中心に、グループシナジーを最大化し、取引先やお客様と一緒に、抜本的・構造的改革を進めている。本稿では、食品ロス削減に関する改革を主に紹介するとともに、今後ありたい姿として①セブンプレミアムをSDGsやエシカルを象徴するブランドにすること、②多くのお客様接点を通じ、日本でのエシカルな行動・消費の定着に貢献することについて述べる。
キーワード: 持続可能性、食品ロス、SDGs、エシカル、セブンプレミアム前田 昌宏
日本生活協同組合連合会 組織推進本部 社会・地域活動推進部
サステナビリティ推進グループ
生協は、かねてより環境問題に危機意識を抱き、根源的な課題と位置づけて取り組んできました。現在は、食品廃棄物・食品ロス問題について、「2020年に向けた生協の新たな環境政策」に基づき、商慣習の見直し、リサイクル・ループの構築、フードバンクの活動などについて、組合員とともに学び、実践を重ねながら取り組んでいます。本稿では、現在の全国の生協の取り組みや、今後、生協の取り組む方向性について紹介していきます。
キーワード: 生活協同組合、組合員、SDGs、リサイクル・ループ、フードバンク石川 友博
公益財団法人流通経済研究所 主任研究員
自治体の食品ロス削減の政策進展が期待されている。実効性のある政策展開のため、発生実態の定量把握の充実が望まれる。企業による消費者啓発を促進し、食品ロス削減、企業イメージ向上、家計負担軽減といった好循環の形成も重要である。食品ロスの一因に商慣習があり、個社では解決が難しい。商慣習見直しを経営トップ検討マターに引き上げることや、商慣習見直し先行企業が不利益を被らない環境整備を図ることなどにより、自治体主導の商慣習見直しの広がりにも期待したい。
キーワード: 食品ロス削減、自治体、食品ロス実態調査、企業による消費者啓発の促進、商慣習見直し渡辺 達朗
公益財団法人流通経済研究所 理事/専修大学商学部長・教授
2019年10月、食品ロス削減推進法が施行され、国や自治体における食品ロス削減の取り組みがいよいよ本格化しようという矢先に、新型コロナウィルス感染症の災禍が世界を襲った。コロナ禍によって、サプライチェーンや家庭における食品ロスの発生状況は大きく影響を受け、削減の取り組みも変化を迫られた。ここでは、それらのうちサプライチェーンにおける、フードシェアリングの考え方に基づくマッチングビジネスに焦点を合わせて検討し、そうした新たなビジネスモデル展開の背景にどのような要因が影響しているのかを明らかにした。
キーワード: 食品ロス削減推進法、コロナ禍、サプライチェーン、未利用食品、余剰食品中村 博
公益財団法人流通経済研究所 理事/中央大学大学院 戦略経営研究科 教授
加部東 大悟
株式会社ギックス Enabling事業本部 ディレクター
今泉 文男
一般財団法人食料農商交流協会 顧問