中村 博
公益財団法人流通経済研究所 理事/中央大学大学院戦略経営研究科 教授
中村 博
公益財団法人流通経済研究所 理事/中央大学大学院戦略経営研究科 教授
かつては、小売イノベーションによって百貨店、チェーンストア、スーパーマーケット、ディスカウントストアやコンビニエンスストアが小売の主たるプレーヤーであったが、現在は、ネット通販が主たるプレーヤーとなりつつある。成熟期にある既存小売業は、マーケットからの退出を余儀なくされる前に、自社の提供価値や提供する能力や人材を市場のニーズに適合させながら対応していく必要がある。その解のひとつが、店舗DXを活用したオムニチャネル戦略であるが、そのためには提供価値の確認と実行のための能力と人材の投入が不可欠である。
キーワード: Sカーブ理論、隠れSカーブ、お財布シェア、4つの提供価値、オムニチャネル鈴木 一正
東京家政学院大学 現代生活学部 非常勤講師
人口減少・少子高齢社会では消費拡大は期待できず、人件費や物流費など販管費増が見込まれる中で小売業のDXへの期待は大きい。スーパーマーケットは多くの利用者が来店し、多くの従業員を抱えるが故に、企業文化・風土の刷新を伴う業務・プロセスの変革は容易ではないが、実践できればその効果は高い。小売業の事例も参考にスーパーマーケットのDXの今後を考察したい。DXは単なるITツールの導入に留まらず、現場を巻き込んでこそ成功する。現場の課題に向きあうIT人材の育成・確保が重要と考える。
キーワード: DX、IT、スーパーマーケット、顧客体験価値、リテールメディア鶴見 裕之
公益財団法人流通経済研究所 客員研究員/コペンハーゲン大学 客員研究員/横浜国立大学 大学院国際社会科学研究院 教授
人間とデジタルの融合が、かつてなく深まっている。その結果、最も身近なデジタル端末であるスマートフォンが、従来あった多くのモノ・サービスをバキューム・クリーナーの様に吸い込みつつある。それには顧客会員カードも現金も含まれている。このことは、デジタル端末に吸い込めないものは、将来の顧客の関心外に置かれやすい、ということを意味する。従って、自社がこれからも新たな顧客層を獲得し続けたいと考えるならば、DXの取り組みは避けては通れない。このDXの取り組みにおいて、ボトルネックとなるのは現金である。つまり、キャッシュレス決済の普及停滞はDXの停滞を意味する。また、DXを推進する過程でキャッシュレス決済の採用を顧客に働きかけてゆくことは、Rogoff(2016)が主張する様に政府の金融政策の幅を広げ、社会の景気安定に繋がる可能性が高い。つまり、DXの推進は、キャシュレス決済比率を高め、そのことはやがて社会経済の変革に通じるという社会的意義を有する。
キーワード: デジタル・トランスフォーメーション(DX)、デジタル端末、キャッシュレス決済、レスキャッシュ社会、マイナス金利政策岡嶋 裕史
中央大学 国際情報学部 教授/中央大学政策文化総合研究所 所長
中村 博
公益財団法人流通経済研究所 理事/中央大学大学院戦略経営研究科 教授
Web3は公平な社会インフラを目指す運動と捉えることができる。その特徴は技術基盤としてブロックチェーンに完全に依存する点だ。ゆえにその長所も短所もブロックチェーンの特性に引きずられることになる。当面は引き続きプラットフォーム型ビジネスモデルが成長していくだろう。デジタルツインは流通との親和性が高く、バーチャルの世界だけで完結せず、GAFAMのプラットフォーム型のビジネスモデルの中でバーチャルとリアルの間のCome & Goが盛んになっていくと予想される。
キーワード: Web3、Web3.0 、メタバース、デジタルツイン、セカンドライフ三坂 昇司
公益財団法人流通経済研究所
近年、マーケティングにおいてもバーチャルリアリティ(VR)の活用が注目されている。本稿では、VRを用いて、パッケージのリニューアルが、その商品の探しやすさに与えた影響を確認した実験の事例を紹介する。リアリティの高い売場を再現できるVRを用いることで、リニューアル後のパッケージ評価が可能になることや、実験にかかる労力が低減されるなど、デジタルトランスフォーメーションにつながる有効性があることが明らかになった。
キーワード: バーチャルリアリティ(VR)、パッケージ・リニューアル、視線計測、ヘッドマウントディスプレイ、VR実験石原 武政
公益財団法人流通経済研究所 顧問/大阪市立大学 名誉教授
石淵 順也
関西学院大学 商学部 教授