取組営業革新プロジェクト

研究会の概要

研究会の目的

「取組営業革新」プロジェクトは、流通経済研究所の使命として「小売とメーカーの取組を繋ぐこと」の実現を目的とします。

食品・日用品の国内市場は、将来に向けて人口減少が進展する中で、既存の小売チャネルでは、上位企業の寡占化が進み、競争は複雑化しています。こうした中で、メーカーの営業は得意先との商談を通じて、既存製品・新製品の配荷を促進し、販促提案による特売の実施で、売り上げを獲得するという活動だけでは、事業の成長に貢献することが困難になってきています。
また、ChatGPTなどAIの技術が進化している中、定型的な商談は、営業マンが不要になる時代が見えてきています。米ウォルマートなどは、一部の商談に導入も進められており、人手不足が深刻化してくる小売業界では、こうした取り組みも進む可能性があります。

本プロジェクトは、バイイング商談を超えた「小売・メーカー共創」による顧客価値実現に向けた小売りとメーカーとの新しい共創関係を構築することを目指し、参加企業間の業界を超えたコミュニケーションを重視する双方向のやり取りで進行します。また、プロジェクト参加を通じた若い次世代営業リーダーのエンゲージメントの向上も重要な目的としています。

ご参加対象者

メーカー・卸売業の
●次世代チームリーダークラスの方
●営業幹部の方

〈研究の背景〉量販店と卸・メーカー営業の関係性の進化

量販店を巡る卸・メーカーの営業の役割は、時代の変化と共に進化しています。しかし、現在の「アライアンス時代」に対応する「組織と機能」についての進化は鈍いと言わざるを得ません。営業はまだまだ「失われた30年」からの進化が見えていない状況です。

〈研究の背景〉営業職の不人気

メーカー・卸の「営業」職は、全社コストの「回収」係として大きな役割を果たしているものの、むつかしい状況に直面しています。結果として、とりわけ次世代を担う若手~中堅層からの不人気という事態も発せしており、エンゲージメントの向上も組織としての重点課題となっています。

〈研究の背景〉次世代営業におけるマーケティング機能強化の必要

大きく変化している環境の中、これまでの商談窓口であった「商品部中心の意思決定」から「マーケティング部門」の意思決定が強くなると考えられます。そのことに応えるためには、「卸・メーカー営業」の「マーケティング機能」を充実させなくてはなりません。
そのための「営業組織」は、若い世代によって開発・構築されるはずです。営業チーム=現在・固定得意先別個人担当制から、「マーケティング機能を束ねるチーム」に進化させる適性は「若い世代」にしかないからです。
ただし、その「実現」には時間がかかります。「中期計画」としてバックシステム・人材の開発を含めて段階的に進めなくてはなりません。本プロジェクトは、そのための最適な場となることを目指しています。

プロジェクトの進め方

新世代の組織論=ハッカソン(hackathon)スタイルで進行します。企業・業務・機能の異なるメンバーの混成による参加者がそれぞれの専門性・個性を活かしながら、総合性の高い新しい解決策を構築・実行するスタイルです。
また、小売業の役員クラスをゲストスピーカーに招き、参加者との意見交換の場も設ける予定です。