小売商業の構造変化に伴い、卸売商業も変革期に入っていますが、その変化の速度は小売商業を上回るものとなっています。我が国の流通では、古くから卸売商業が発達していますが、このことは製造産業や小売商業の参入障壁を低くし、産業の活性化にも大いに貢献しています。
卸売商業を単なる一業種と捉えるのでなく、中間流通機能を担う事業者と位置づけ、機能高度化のあり方や方策を検討することが求められています。
中間流通機能の高度化戦略に関する研究調査築
■目的
生産段階、小売段階の上位集中度が低い我が国の流通において、流通の全体最適を図るために、中間流通機能に関して内外の状況を明らかにし、高度化戦略の策定を行った。
■内容
1. 中間流通機能の概念
2. 我が国における中間流通機能の現状
・製配販に対する定量調査
・先進的中間流通業者の事例調査
3. 欧米における中間流通機能の現状
4. 中間流通機能の高度化の方向と課題
■結果
我が国の中間流通機能は、卸売業が重要な役割を提供するであろうことを確認した上で、高度化の課題として、中間流通機能を正当に評価すること、製造業・小売業との協働情報交換のインフラを整備すること、物流面の共同化方策を検討すること、人材育成を高度化することを提示した。