製造業が発展していくためには、魅力的な商品を製造することに加え、価格設定、販促費投入、営業担当など人的資源の投入、物流の効率化など、流通チャネルの実態を把握し、効果的・効率的な戦略を立案する必要があります。
また、そのためには消費者の業態選択行動、商品選択行動を把握することも必要となってきます。地域の特産品などの産業は中小企業が多く、消費者のニーズや行動を把握することがひときわ重要といえます。
消費者の酒類購買行動に関する調査
■目的
消費者の酒類購買行動が長期的にどのように変化しているかを把握するとともに、購買業態選択、購買商品選択の要因を明らかにし、酒類製造業、酒類流通業の経営改善の方向性について考察した。
■内容
1.家計調査による酒類消費行動の長期的変化と将来予測
2.食品スーパー、コンビニエンスストアでの酒類購買行動(POSデータ分析)
3.酒類購買の業態選択、銘柄選択行動(アンケート調査)
4.酒類及び酒類販売業に対する消費者のイメージ(インターネット調査)
5.酒類製造業、酒類流通業の対応の方向
■結果
清酒、洋酒は長期的に消費量が減少傾向にあり、現在の高年齢層が退出した後は、大幅に消費量が減少する可能性のあることが分かった。酒類による購買行動の違いとしては、ビールは店舗に行く前に購入銘柄が決まっているが、発泡酒は店舗で購入銘柄が決定される割合が高かった。また、中小酒販店を多く利用している消費者は、店舗の従業員を良く知っていること、店員の酒に関する知識が豊富なこと、配達してくれることなどを重視する傾向があることが明らかとなった。