経済産業省の調査によれば、2000年前後から台頭が始まったBtoCのEC市場規模が2019年には10兆円を突破、コロナ下の2020年には12.2兆円となり、コンビニの低下した総売上高を超えました。そしてこの2021年、その差はさらに拡大すると思われます。
そうしたところ、人口減少・高齢化とデジタル化が新たなステージに入る2020年代の競争を見据えた展開がEC大手、有力な店舗小売業の双方から次々と出てくるようになってきました。
スタートが感染症に見舞われましたが、本セミナーでは、上記のような状況を踏まえ、あらためてこの2020年代に取り組むべきEC、ネットスーパー、商品、デジタル技術の活用などをキーワードに、果敢な展開を見せる企業について検討し、示唆を抽出致します。
時間の都合、検討対象を飲食料品小売業界にほぼ限定しますが、流通の動向を捉え、来期計画、中期計画などをお考えの皆様に有効な情報をご提供できるよう鋭意努力を致しますので、ぜひご参加、ご視聴をご検討ください。
Ⅰ.流通の状況と今後の見通し
●21世紀、最初の20年間の小売業態の動向、直近の状況把握と2020年代の展望
-スーパー、CVS、DrgS、HC、家電量販店、EC、生協宅配の中長期の売上高の変化
-EC台頭の20年・・・2020年12兆円超えでコンビニを超え、EC利用世帯率も5割を超えた
・上位集中度も高まり、アマゾン、楽天の流通総額は、セブンのつぎに位置するようになった可能性
-2020年代はあらためてEC、デリバリー・サービスに取り組むことが課題になる
●直近のコロナ下での小売業の状況とコロナ後に向けた課題
-店舗小売業の状況・・・SM、CVS、DrgS、GMS上場チェーンの状況
-コロナ下で大きく伸びた生協
・宅配が大きく伸びて2020年2.1兆円、ネット供給額比率も2割超に・・・若い世帯も獲れた可能性
-さらに大きく伸びたEC・・・これからもまだ伸びる
・とくに飲食料品分野の本格的な戦いはこれから始まる
Ⅱ.2020年代の競争課題1・・・人口減少下でEC、ネットスーパー(NS)をどうするか
●店舗小売業にとってECほぼ惨敗の20年・・・チェーン小売業はなぜEC、NSをうまくやれないのか
-セルフサービス革命とEC革命
-EC、NSに慎重なヤオコー、ベルク、ハローズなどの業績がいいのはなぜか
-最新情報技術採用の遅行セクターとしての小売業・・・ただし時が満ちつつある
●ECプラットフォーマーの動向1:アマゾン
-ライフ、バローとの提携による都市部でのSM品目即配事業の拡大
-一段の競争力強化を目指す自社配送体制の強化
・フルフィルメント・センター、デリバリー・ステーションの追加新設
-その一方、自社出荷をする販売事業者向けにヤマト運輸と共同で「マーケットプレイス配送サービス」開発
-アマゾンの展開が促すEC大手、宅配大手の業務提携、資本提携
●ECプラットフォーマーの動向2:楽天
-楽天の食品ECに関する基本的な考え方と戦略
・SMを楽天経済圏に取り込み、EC最終・最大の未開拓市場「食品」を獲る
・3つの事業モデルを考える・・・センター出荷、店舗出荷、そして即配も
-楽天西友ネットスーパー・・・店舗、センター両方から運ぶビジネスモデル
・西友の目標売上高1兆円の1割、1000億円をまず目指す
-楽天全国スーパーのビジネスモデル・・・ネットスーパーのプラットフォーム提供開始
・楽天会員の送客とフロント・エンド、バック・エンド通貫のサービス提供
●スーパーサンシのローカルでの独自宅配モデルとローカルスーパーへのシステム外販
-スーパーサンシの収益状況と宅配事業モデル
-ネットスーパー運営システムをフランチャイズ展開する「NetMarket」の設立
●2023年デリバリー・サービス顧客獲得大競争の発生とその影響
-イオン・・・英Ocadoの技術を導入した大型FC2023年稼働
-IY・・・・新横浜の大型FC2023年稼働
-セブン-イレブン・・・ネットコンビニ「7NOW」本格化、2025年全国展開
-各展開に対する期待と懸念
●人口減少下でEC、NSが伸びる市場での競争
-大手プラットフォーマーとSMの競争的連携が流通を変える可能性
-店舗の売上がかなり大きく減る日が来ることを想定した打ち手の準備
-最後は商品が重要になる
-急がないのも一手だが、時はかなり満ちつつある
Ⅲ.2020年代の競争課題2・・・店舗、商品、デジタルで戦う
~明日を拓く展開を見せる企業に学び、何をすべきか考える~
●大久保改革でSM業界No.1チェーンとして輝きを増す西友・・・中期経営計画と今後の展開
-売上7,850億円、SM業界すでに規模No.1になっている西友の姿
-安定的な利益成長に向け食のSPA化を推進
-NBメーカーとのコラボも重視・・・NBも絞り込んで売り込む
-DXは基本的な週次データでウィークリー・マネジメントから始める
-西友側から見た店舗起点、FC起点のハイブリッド型ネットスーパーのビジネスモデル
●長期目標「売上高1兆円、店舗数500店舗」を目指すヤオコー
-10次中計・・・攻める3年、価格対応を強化、同じ立地なら2割売上が大きい店作り、圧倒的な差をつける
-フーコットのベースとなるエイヴイのビジネスモデルと損益構造の推計
・売上総利益率13~14%、販管費率10%台の可能性・・・それを実現するビジネスモデル
-エイヴイ、フーコットとベルクの戦い
・熊谷の陣:実質エイヴイ運営のスーパーマーケットARAI 対 ベルク上之店
・飯能の陣:フーコット飯能店 対 ベルク飯能緑町店
-グロサリー・チルドセンター、デリカ・生鮮センターなどの基盤整備
-M&Aによる規模拡大・・・まず千葉のせんどう、24店、売上高489億円、経常10億円程度
-賢明かも知れないネットスーパー慎重姿勢
●負けないベルク・・・年率2%前後の売上・利益成長「無理な規模拡大はしない」
-ヤオコーに勝る既存店売上高伸び率、消費者の支持
-新社長の新路線1:斬新な展開から・・・墜落UFO本社に展示、人気女子アナ〇〇パンも買いに来る!?など
-新社長の新路線2:ベルクもOne to ONE志向のOMO(Online merges with Offline)を目指す
-新社長の新路線3:「守破離」・・・ベルクの型を守りつつ、その型を破り、飛躍も
・デジタル活用の教育により少数派の意見を吸い上げ、「新ベルク人」を育てて長期視点で戦う
●時がきたらやるべきことを着実にやるオーケー
-薬剤師が余り出したタイミングを捉えて調剤薬局展開開始・・・ドラッグストアと戦う
-ネットスーパー・・・最低受注額10,000円、手数料3%からのスタートをどう見るか
-売上高5000億円を超えたが「まだまだ小規模」・・・「あらためて関西市場を勉強する」
●ECやらず、チェーンストア理論に基づき10000店を目指すGenky
-標準店でドミナント形成、PC、DC、TC機能を持つRPDC網構築
-商圏人口7000人、SMなしなら2700人ぐらいだといける
-粗利率20%、経費率16%で営業利益率4%
-食品比率を上げるためにはPB強化が必要不可欠
-DXは省力化目的限定、Eコマース、客層別クーポンもやらない
●ファミリーマートのマーケティング革新
-レッドオーシャンで戦う意思の重要性・・・まず定番を中心に重点カテゴリーを決め集中強化
-認知率が低くてダメならそこにチャンスがあり、認知率を高めるための定石がある
-競争劣位にあることを踏まえたメッセージ戦略・・・明確に、力強く、全媒体で同期化
Ⅳ.2020年代の展望と課題
●2020年代の展望と課題
-新型コロナ感染症に関する今後の予測と見通し
-消費の長期トレンドへの基本的な対応
・人口減少・高齢化による市場の縮小と消費構造の変化への対応
・長寿化に対応する顧客の生涯価値の拡大 など
-視野に入れておきたい変化やイベント
●コロナ下でも明日を切り開いてゆく人/企業に学ぶ
-花王・・・Another Kaoを創る
-刀・・・西武園ゆうえんちリニューアル、マーケティングで日本を元気に
-コープさっぽろ・・・負の課題解決から正の貢献へ
-アサヒビ-ル・・・感動の提供とノンユーザー開拓
-日清食品・・・DNAを強化 など